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2024
12
10  / 技能五輪全国大会
年に一度開催される技能五輪全国大会。地区予選を勝ち上がった選手たちが集まって各職種でその技能を競う大会です。今年は愛知県で開催されたので車を走らせてふらっと会場へ見に行きました。

オリンピックなどの表彰式で銀メダルや銅メダルを獲得した選手が、その色のメダルを素直に喜べない態度を表して批判の対象になってしまうこともありますが、その選手の気持ちはよくわかります。
もう20年近く前の話―
前年に建築大工部門で銅メダルだった私は「絶対に金メダルを取るのでもう一度出させてください!」と意気揚々と会社にお願いしてチャンスを与えてもらいました。当時チャンスは一人一回が会社の方針でした。

そして結果は・・・銀。

表彰式はずっと俯いたままで、帰りにどこかでそのメダルを捨ててしまおうと考えていました。

出場者は仕事の合間だけではなく、場合によっては休みを取ってまで日夜練習に励むため、会社の協力・家族のサポートなくしてはこの日を迎えることができません。でも20歳そこそこの当時の私は、そこの理解と感謝の気持ちを持つ余裕もなかったんですよね。いろいろ経験した40歳の今の私から「自分だけのメダルではない」と言い聞かせてやりたいけど、それでもきっとわからないんでしょうね。経験しないと。そういうものですよね。

そのメダルは今でもちゃんと持っています。
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↑今年の課題見本。
建築大工部門は複雑な小屋組みの一部を製作する競技で、現寸図の作成、木削り、墨付け、加工、組み立てを2日間にわたっておこない、その各々の工程で審査が入り総合的な精度、仕上がりの美しさを競います。

建築関連は他にも左官や家具・建具部門など、その他にも理容・美容や料理、時計修理や自動車関連などさまざまな職種の競技があって見ごたえもあるし、将来を担う若者が専門技術を極めようとする姿は頼もしくもあります。
もっとこの大会が周知されるといいな、と思います。
(2028年には国際大会が日本、しかも愛知県で開催予定とのこと)

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2024
09
26  / もっともうれしいとき
『建築家として、もっとも、うれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感ぜられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか。』

吉村順三氏のこの言葉を知ったとき、「やっぱりそうなんだなぁ...」としみじみ。
本当にこの通りで、携わった住宅のカーテン越しの灯を見たときに、家族の団欒が自然と脳裏に浮かんで、この上ないうれしさが込み上げてきたことがあるのです。


先日、以前補修立ち合いで伺った住宅の食事会にお招きいただきました。
お施主さん、前職の所長と現役スタッフ、現場監督さんとでわいわいと、建築当時の面白苦労話からそれぞれの近況、仕事の悩み(?)などの話題も交えて楽しいひとときに。加えて楽しく快適に暮らされているというお施主さんの生活を見聞きすることができて、ふと吉村さんの言葉をまた思い出したのでした。
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これからもこんな『もっともうれしいとき』を積み重ねていけるように。
この先もずっと、暮らしが楽しく快適でありますように。

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2024
07
09  / 補修立ち合い
前職で担当した住宅に伺ってきました。
補修の依頼を受けた工務店の現場監督さんが私にも声をかけてくれたのがきっかけです。お施主さんとは今でもメールや年賀状で時々ご挨拶をしていましたがお会いするのは久しぶり。良い機会をいただきました。

いつ訪れてもその静けさと自然あふれる中庭に心が落ち着く。音も景色も外部とは全く変わるコートハウスの魅力が詰まった心地よい空間につい長居してしまいます。フローリングの補修や建具の調整など、監督さんや職人さんが誠実に対処される中、私も微力ながらお手伝いできたでしょうか。

どの住宅にも思い入れがある中で、ABOUTにも書いた「建主・施工・設計の連携でより良い建築が生まれる」ことを特に強く感じるきっかけになったのがこの住宅で、所員として関われたこと、妥協せず前向きにプロジェクトを進める一体感を体感できたことにとても感謝しています。
この経験をずっと心に留めておきたくて、実は私たちの事務所名に繋がっていたりもします。

9月にまたお会いできる機会を設けていただいているので、今からとても楽しみです。
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2024
06
16  / ルーツ
私の祖父は、岐阜県の旧金山町の出身で、大工仕事を覚えるために愛知県一宮市に移ってきたそうです。
私の父は、その祖父の下で大工仕事を覚えて家づくりに携わってきました。
当時は大工も住宅の設計からおこなう時代でした。

私は、小学校の頃からその父の仕事場についていき、仕事を見たり手伝ったりしながら「将来は自分も建築の仕事に就くのだな」と自然に考えていました。
そして昔の大工のように「大工も設計も経験して両面から考えられるようになりたい」と最初は大工の道に。
大工という仕事は天職と思うほど楽しくて、辞めるときは寂しいものもありましたが、設計という仕事も引けを取らない楽しさです。

進路を考える頃、一本の道にそのまま乗ってよいものかと若さゆえの疑問を持ったりして、数字が好きだから公認会計士にでもなろうかと考えたこともありましたが、結局は父の勧めで建築の道へ進んでの今があるので、改めて父にはとても感謝しています。

父の日に、ふと思い出したことでした。

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2024
06
12  / 伊勢へ
所員時代に担当したお施主さんを訪ねて伊勢へ行きました。
竣工後ほどなくして退職したため、お引越しされてからの生活を拝見できずにいた住宅でした。
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この広大な川の眺めを楽しむための住宅。
工事中あちこちに椅子を置いて、一緒に景色を確かめながらテラスのベストな手摺高さを探った当時のことを懐かしんでくださったのが何だか嬉しかったです。そしてその手摺の高さがバッチリだったという喜びも。
実際にテラスに座ると、悠々とした景色に心地よい風と鳥の声が相まって居心地がもう、良すぎて良すぎて。

回遊する家事動線が大正解で毎日ぐるぐる回っているとか、必要と思っていた部屋が実は使われていないとか(でもこれからの活用に期待!)生活の中で気づいたあれこれを笑いながらお話しされる中、「今でも毎日の暮らしが楽しい」と言っていただけたことが何よりも嬉しく幸せな気持ちになりました。
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ランニングが趣味のお施主さんは、今ではフルマラソンを走られるとのこと。
一度お誘いいただいて、一緒にぎふ清流ハーフマラソンに参加したことがありました。
軽い気持ちでエントリーしてしまった私は、常に関門ごとの閉鎖時刻に追われ、最後は白バイ警察官に追われ、川と並走しているのにずっと背水の陣のままの苦しいゴール・・・

そんな思い出もよみがえる、この住宅はお引渡しの日から今日でちょうど5年になります。

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2024
04
30  / ホームページ開設
ようやくホームページを開設しました。
Webデザインに関しては全くの素人ですが、一度は私たち自身で設計してみたいという欲で、ソフトなどにはひとまず頼らずイチから取り組んでみました。
現代はデスクトップ・ノートPC、タブレット、スマホetc各々の画面サイズに対応させるための工夫が必要なのですね・・・そのレスポンシブデザインがとにかく難しかったです。そして表現したいことのコーディングに夢の中でも悩む日々・・・辛い!
結局のところ今のトレンドとは違って少し古い感じのWebサイトになりましたが、それが好みであえてそうしたところもあります。
PCで見た時は、絵はがきの宛名面を連想させるようなイメージで。
大変でしたが新しい世界をひとつ知ることができて良かったな、と。

そしてうっかりDIARYを設けましたが、はたして続くのか・・・
建築や日々のことを綴っていけたらと思います。
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2024
12
10  / 技能五輪全国大会
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年に一度開催される技能五輪全国大会。地区予選を勝ち上がった選手たちが集まって各職種でその技能を競う大会です。今年は愛知県で開催されたので車を走らせてふらっと会場へ見に行きました。

オリンピックなどの表彰式で銀メダルや銅メダルを獲得した選手が、その色のメダルを素直に喜べない態度を表して批判の対象になってしまうこともありますが、その選手の気持ちはよくわかります。
もう20年近く前の話―
前年に建築大工部門で銅メダルだった私は「絶対に金メダルを取るのでもう一度出させてください!」と意気揚々と会社にお願いしてチャンスを与えてもらいました。当時チャンスは一人一回が会社の方針でした。

そして結果は・・・銀。

表彰式はずっと俯いたままで、帰りにどこかでそのメダルを捨ててしまおうと考えていました。

出場者は仕事の合間だけではなく、場合によっては休みを取ってまで日夜練習に励むため、会社の協力・家族のサポートなくしてはこの日を迎えることができません。でも20歳そこそこの当時の私は、そこの理解と感謝の気持ちを持つ余裕もなかったんですよね。いろいろ経験した40歳の今の私から「自分だけのメダルではない」と言い聞かせてやりたいけど、それでもきっとわからないんでしょうね。経験しないと。そういうものですよね。

そのメダルは今でもちゃんと持っています。
画像
↑今年の課題見本。
建築大工部門は複雑な小屋組みの一部を製作する競技で、現寸図の作成、木削り、墨付け、加工、組み立てを2日間にわたっておこない、その各々の工程で審査が入り総合的な精度、仕上がりの美しさを競います。

建築関連は他にも左官や家具・建具部門など、その他にも理容・美容や料理、時計修理や自動車関連などさまざまな職種の競技があって見ごたえもあるし、将来を担う若者が専門技術を極めようとする姿は頼もしくもあります。
もっとこの大会が周知されるといいな、と思います。
(2028年には国際大会が日本、しかも愛知県で開催予定とのこと)
2024
09
26  / もっともうれしいとき
画像
『建築家として、もっとも、うれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感ぜられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか。』

吉村順三氏のこの言葉を知ったとき、「やっぱりそうなんだなぁ...」としみじみ。
本当にこの通りで、携わった住宅のカーテン越しの灯を見たときに、家族の団欒が自然と脳裏に浮かんで、この上ないうれしさが込み上げてきたことがあるのです。


先日、以前補修立ち合いで伺った住宅の食事会にお招きいただきました。
お施主さん、前職の所長と現役スタッフ、現場監督さんとでわいわいと、建築当時の面白苦労話からそれぞれの近況、仕事の悩み(?)などの話題も交えて楽しいひとときに。加えて楽しく快適に暮らされているというお施主さんの生活を見聞きすることができて、ふと吉村さんの言葉をまた思い出したのでした。
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これからもこんな『もっともうれしいとき』を積み重ねていけるように。
この先もずっと、暮らしが楽しく快適でありますように。
2024
07
09  / 補修立ち合い
画像
前職で担当した住宅に伺ってきました。
補修の依頼を受けた工務店の現場監督さんが私にも声をかけてくれたのがきっかけです。お施主さんとは今でもメールや年賀状で時々ご挨拶をしていましたがお会いするのは久しぶり。良い機会をいただきました。

いつ訪れてもその静けさと自然あふれる中庭に心が落ち着く。音も景色も外部とは全く変わるコートハウスの魅力が詰まった心地よい空間につい長居してしまいます。フローリングの補修や建具の調整など、監督さんや職人さんが誠実に対処される中、私も微力ながらお手伝いできたでしょうか。

どの住宅にも思い入れがある中で、ABOUTにも書いた「建主・施工・設計の連携でより良い建築が生まれる」ことを特に強く感じるきっかけになったのがこの住宅で、所員として関われたこと、妥協せず前向きにプロジェクトを進める一体感を体感できたことにとても感謝しています。
この経験をずっと心に留めておきたくて、実は私たちの事務所名に繋がっていたりもします。

9月にまたお会いできる機会を設けていただいているので、今からとても楽しみです。
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2024
06
16  / ルーツ
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私の祖父は、岐阜県の旧金山町の出身で、大工仕事を覚えるために愛知県一宮市に移ってきたそうです。
私の父は、その祖父の下で大工仕事を覚えて家づくりに携わってきました。
当時は大工も住宅の設計からおこなう時代でした。

私は、小学校の頃からその父の仕事場についていき、仕事を見たり手伝ったりしながら「将来は自分も建築の仕事に就くのだな」と自然に考えていました。そして昔の大工のように「大工も設計も経験して両面から考えられるようになりたい」と最初は大工の道に。
大工という仕事は天職と思うほど楽しくて、辞めるときは寂しいものもありましたが、設計という仕事も引けを取らない楽しさです。

進路を考える頃、一本の道にそのまま乗ってよいものかと若さゆえの疑問を持ったりして、数字が好きだから公認会計士にでもなろうかと考えたこともありましたが、結局は父の勧めで建築の道へ進んでの今があるので、改めて父にはとても感謝しています。

父の日に、ふと思い出したことでした。
2024
06
12  / 伊勢へ
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所員時代に担当したお施主さんを訪ねて伊勢へ行きました。
竣工後ほどなくして退職したため、お引越しされてからの生活を拝見できずにいた住宅でした。
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この広大な川の眺めを楽しむための住宅。
工事中あちこちに椅子を置いて、一緒に景色を確かめながらテラスのベストな手摺高さを探った当時のことを懐かしんでくださったのが何だか嬉しかったです。そしてその手摺の高さがバッチリだったという喜びも。
実際にテラスに座ると、悠々とした景色に心地よい風と鳥の声が相まって居心地がもう、良すぎて良すぎて。

回遊する家事動線が大正解で毎日ぐるぐる回っているとか、必要と思っていた部屋が実は使われていないとか(でもこれからの活用に期待!)生活の中で気づいたあれこれを笑いながらお話しされる中、「今でも毎日の暮らしが楽しい」と言っていただけたことが何よりも嬉しく幸せな気持ちになりました。
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ランニングが趣味のお施主さんは、今ではフルマラソンを走られるとのこと。一度お誘いいただいて、一緒にぎふ清流ハーフマラソンに参加したことがありました。軽い気持ちでエントリーしてしまった私は、常に関門ごとの閉鎖時刻に追われ、最後は白バイ警察官に追われ、川と並走しているのにずっと背水の陣のままの苦しいゴール・・・

そんな思い出もよみがえる、この住宅はお引渡しの日から今日でちょうど5年になります。
2024
04
30  / ホームページ開設
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ようやくホームページを開設しました。
Webデザインに関しては全くの素人ですが、一度は私たち自身で設計してみたいという欲で、ソフトなどにはひとまず頼らずイチから取り組んでみました。
現代はデスクトップ・ノートPC、タブレット、スマホetc各々の画面サイズに対応させるための工夫が必要なのですね・・・そのレスポンシブデザインがとにかく難しかったです。そして表現したいことのコーディングに夢の中でも悩む日々・・・辛い!
結局のところ今のトレンドとは違って少し古い感じのWebサイトになりましたが、それが好みであえてそうしたところもあります。
PCで見た時は、絵はがきの宛名面を連想させるようなイメージで。
大変でしたが新しい世界をひとつ知ることができて良かったな、と。

そしてうっかりDIARYを設けましたが、はたして続くのか・・・
建築や日々のことを綴っていけたらと思います。