住まいの一角に設けた私たちの設計室です。
在宅で仕事をするための空間を模索する中で、実験的にＬＤＫではなくアトリエ＋ＤＫを構成しました。日中いちばん長く過ごす場所なので明るい光が入る家の特等席に。

中心の大きなテーブルは、図面を描く、模型を作る、資料を広げる、打合せをする、そして花を飾る、食事をする・・・部屋の用途をさまざま満たす要として製作し、来客を迎える場にあることを意識したキッチンは、規格寸法で売っている安価な木材を組み合わせつつ家具のように空間に馴染むよう設計しました。
あえて設けた垂れ壁の高さは古い日本家屋の鴨居の高さを参考にしており、アトリエとＤＫに心理的な境目が生まれるよう狙っています。

この空間は内装だけではなく、家具も建具も大工経験を活かして可能な限りセルフリノベーションしました。自身でできる範囲で、ホームセンター等で購入できる材料で、意匠や詳細なディテール、強度・耐久性も含めて検討しながら造作していきました。
実験的要素もいっぱい詰めた空間は、生活の中で、また考え方の変化で、少しずつブラッシュアップされていくはずです。様子を見ながら楽しんで、これからの設計のヒントを生んでいけるといいなと思います。

↓ Before